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音楽監督 キンバリー・グリッグスビーさん [稽古場レポート]

今日のレポートは私ウェブサイト担当より、9日から1週間来日して稽古を見てくださったオリジナルプロダクションの音楽監督 キンバリー・グリッグスビーさんについて紹介させていただきたいと思います。

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キンバリーさんは明るくとても気さくな女性。そしてスタイルが良く、とっても美しい方。
「たくさんの若い子たちとこうして関わって、その成長を見られることが私の歓びなの」
と話すキンバリーさん。
先ごろ開幕したロンドン公演の稽古でも、同じように指導にあたられていました。
その言葉の通り、キンバリーさんの稽古はユーモアさと的確さを持ち合わせ、俳優たちの心を惹き付けます。
キンバリーさんとの本格的な稽古が始まったその日のことです。

「皆さんはこの曲を歌う時にどんなことを考えていますか?」
キンバリーさんが俳優たちに尋ねます。けれどなかなか意見が出せないでいる彼らの様子を見て困惑してしまいました。
「みんな何も考えないで歌っているの?」
見守っていた演出助手の宇垣あかねが説明をします。
「日本人はアメリカ人ほどこのようなディスカッションには慣れていないんです。みんな今は何も言えないでいるけど、ちゃんと考えは持っているんですよ。
みんなもこういう時は発言をしないと、キンバリーさんに何も考えてないと思われてしまうよ」
「私は決して“この曲はこう感じるべき”とは言いたくないの。だからこそ、皆さんがどう思っていて何を感じているかを知り、深め合っていきたいのです」

この会話をきっかけに、俳優たちからは様々な意見が生まれるようになりました。

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今回初めて日本に訪れたというキンバリーさん。
稽古中に宇垣が日本の挨拶、「おじぎ」について説明した時のことです。
「俳優たちがあなたに頭を下げるのは、あなたを尊敬していますという日本人の敬意の表現なんです」
「それはとても良い文化ね。でもね、みんなは私を敬う必要はないのよ。なぜなら私たちは同じ『春のめざめ』のクリエイティブチームのメンバーなの。イークル(平等)なのよ」

それからキンバリーさんは、繰り返される稽古に成果が見られた時は拍手をします。
「なぜこんなに素晴らしかったのにみんな拍手をしないの? 自分たちが素晴らしいと思えなければ、お客さまからは拍手をもらえないわ。良かった時は自分自身を称えてあげなきゃ」

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そしてある日、全幕の通し稽古が行われた時のことです。皆が集中し、これまでの厳しい特訓が出し切られ、確かな変化と手ごたえを演じる俳優自身も、そして観ている私たちもそれを感じることができました。
終わった瞬間、静まり返った稽古場。その静寂をやぶったのは、やはりキンバリーさんの明るい声でした。
「So good!」
満面の笑みで飛び跳ねながら一人一人と握手をし、抱き合い、そして大きな大きな拍手を送ります。
演じた俳優も、観ていたスタッフたちも大きな拍手を送りました。

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「本当に素晴らしかった!! マイケル(オリジナル演出家)にも観せてあげたい!
もちろんまだまだ課題はあるわ。でもそれらに取り組むと同時に、これからも新しいことにどんどん挑戦し続けてね!」

キンバリーさんと過ごしたこの1週間。あたたかい“春”がぐんと近づきました――。

開幕まであと47日!


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キンバリーさんを囲んで


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キンバリーさんとの最後の稽古の日、カンパニーから贈られたメッセージカード



(『春のめざめ』プロジェクトチーム・ウェブサイト担当/T)

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