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振付アソシエイト ジョアン・M・ハンターさん [稽古場レポート]

皆さま、初めまして! 『春のめざめ』演出助手を務めています、由水 南です。
今日は私から、来日して俳優たちの稽古を見てくださっているオリジナルプロダクションの振付アソシエイト ジョアン・M・ハンターさんについて、紹介します!

このジョアンさん。鼻がスッと高く目の堀も深く、そしてまつ毛も長く美しい顔立ちをされていますが、実はアメリカ人と日本人のハーフ。
ずっとアメリカに在住していたため、日本語はほとんど話せません。
でも、日本食をこよなく愛するジョアンさんは、今回の来日をとても楽しみにしてくださっていました。

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そんなジョアンさんの性格は・・・とにかくパワフル! そしてエネルギッシュ!
朝の挨拶「オハヨウゴザイマス」から稽古終わりの「オツカレサマデシタ」まで、常にテンションが100%! 大きな口をいっぱいに明けて笑うジョアンさんの豪快な笑い声が、毎日稽古場に響き渡っています。

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ジョアンさんが「ア゛~~~!!」と悲鳴を上げた時は、稽古を止める時の合図。
俳優はどんな“ダメ”が出されるのか・・・? という表情で待っていると、
「すごくいい! それよ!!」
と意外なリアクション。
彼女は“そこは違う”という意味で止めることももちろんありますが、“その感覚を忘れないで”という意味でもストップをかけるのです。
だから俳優はその時の感覚を失うことなく保ち続けることができます。

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また誰かが失敗をすると、「チョコレート!」とその俳優に指をさして叫びます。すると周りの俳優たちは大盛り上がり。
これは“バツとしてみんなのためにチョコレートを買って来なさいね”という彼女なりの愛嬌。
失敗すると普通は落ち込んだ気持ちになりますが、周りが“チョコがもらえる”と盛り上がるので、失敗した本人はきちんと自覚しつつ、でも誰ひとり落ち込むことなくみんなが明るい気持ちでいられるのです。
俳優たちは自然とチームワークが出来上がり、向上心もぐんぐん上がっていっています。

彼女のアドバイスは振り付けだけではありません。
芝居についても、俳優たちの可能性を様々な方法で引き出してくれます。
1幕に「Touch me」というナンバーがあります。このシーンは、好きな人に触れられたいという思いを歌っているのですが、ここでジョアンさんが俳優たちに語ったのは「観客に向けて説明的に見せようとしなくていい」ということ。
「自分がリアルに感じられれば観客も一緒に感じてくれる」「決まった振り付けはない。あなた自身が感じたことを身体で表現すればいいの」、と。
そこで大切なのは“実際に触れられた時にどう感じるのか”ということ。そこでジョアンさんは「目をつむって。これが好きな人だと思ってね」と言ってひとりひとりの身体に触ります。
触れられた時の感覚を植えつけるのです。
ジョアンさんとの稽古の中で、俳優たちが「なるほど」という表情を浮かべる瞬間が多々見られます。

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このように、ジョアンさんは空気作りや俳優の導き方がとても上手。
そして俳優自身の性格を見極めて、ひとりひとりに合った指導をしてくださるので、俳優たちも彼女を慕い、気になったことがあればすぐに聞きに行きます。

ジョアンさんはこうして日本だけでなく先に開幕したロンドンでも、また別の国でもこうして開幕を手伝っています。
いま、世界で最も熱いこのミュージカル。各国で次々と開幕されているので、オリジナルプロダクションメンバーは大忙しのようです。
開幕まで1ヵ月を切り、カンパニーの団結感もより増してきました!

開幕まであと25日!

(『春のめざめ』演出助手・由水 南)


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